3年前、地域おこし協力隊員として東京から宮城県東松島市に移り住みんだ芸術家の男性が、市内各所で砂の彫刻、サンドアートの制作を続けています。地域の人たちと交流を深めながら街を盛り上げようと活動する男性の思いに迫りました。

砂の彫刻家・保坂俊彦さん

何段にも組まれた木の枠からどんどん現れてきた砂の像。砂と水だけを使って作られた砂の彫刻、サンドアートです。

サンドアートを手がけたのは、秋田県出身の保坂俊彦さん(49)。日本では数少ない砂の彫刻家です。

砂の彫刻家 保坂俊彦さん:
「普段ほとんど何もない状態でイメージで始めています。日常で気になったことを書き留めておくとか、気になった言葉とか文字とか、ここだったら青い空が広がっているとか、色んなイメージを繋げて作っています」

東京芸大で彫刻を学んでいた保坂さんは、およそ30年に渡って国内外のイベントや大会などで500ものサンドアートを制作してきました。大きいもので1000トンを超える砂を水で固めスコップやコテなどで少しずつ削り、何日もかけて仕上げていきます。完成したサンドアートは、表面にのりを吹き付けてコーティングするため半年くらいもつことができます。

2017年には、台湾で開かれた世界大会で優勝もしている保坂さん。サンドアートは「自然との闘い」だといいます。

砂の彫刻家 保坂俊彦さん:
「屋外で、自然の中でやっているので、今だったら寒さとか環境が常に一定じゃないです。砂の質も毎回場所によっても違いますし、削りすぎると崩れちゃいますし。そういういろんな違いにその都度合わせて、アレンジして作るというのが難しい」