3月5日、宮城県岩沼市内のスーパーで購入したイワシの刺身を食べ、その後、胃からアニサキスが見つかった30代の男性。tbcの取材に応じ「腹の中を刃物で刺され続けているような痛みだった」とその症状について話しました。

県によりますと、3月5日岩沼市内のスーパーで購入したイワシの刺身を食べた30代の男性が腹痛や吐き気、じんましんなどの症状を訴え、医療機関を受診したところ、胃から寄生虫のアニサキスが検出されました。原因と考えられる食べ物がこのスーパーで購入したイワシのみだったことから、県は食中毒と断定しました。

アニサキスは、イワシやサバなどの魚介類に寄生する長さ2~3センチの寄生虫で、食中毒を引き起こします。
男性が発症に至る経緯を話してくれました。

「5日夜にイワシの刺身を食べ、午後10時頃に就寝しました。2時間後の6日午前0時ごろに体中にかゆみを感じ、目が覚めました。鏡を見たら、顔が腫れていて、赤い斑点が体中に出ていました」

まもなく、男性は、吐き気と強い腹痛に襲われます。

「胃の中を刃物で刺され続けているようで今まで経験してことがない痛みだった」

男性は、痛みを和らげようと市販の鎮痛剤を飲みます。しかし、痛みは一向に和らぐことはなく、1時間くらいしか寝ることができなかったということです。朝になり、男性は、内視鏡検査が出来る病院を探し、自ら受診した結果検査でアニサキスが見つかりました。医師からは「アニサキスに対しては、有効な投薬治療はなく、胃から内視鏡を使って摘出するほかない」と説明を受けたということです。内視鏡を使ったアニサキスの摘出が終わると、9時間以上続いていた痛みからようやく解放されました。

青魚が大好きな男性。今回の経験を踏まえ「しばらく、青魚の刺身は食べることができません。あの痛みを二度と味わいたくない」と話していました。
県は、魚介類を食べる際は内臓の除去やマイナス20度で24時間以上、冷凍するなどして予防を徹底するよう呼びかけています。