老人ホームが「施設全体をシェルター化」
牡鹿地域の特別養護老人ホーム「おしか清心苑」。介護が必要な高齢者60人が入居しています。

おしか清心苑 鈴木静江施設長:
「こちらが放射線量を測定するタブレットです。常にここで確認しています」
実はこの施設、原子力災害時に高齢者らが一時的に屋内退避できる「放射線防護施設」のひとつとなっています。

おしか清心苑 鈴木静江施設長:
「ここのスイッチひとつです。これを入りにすると5分くらいで陽圧化され…」
防護施設は放射線の侵入を防ぎます。施設の隣に設置された建物の中にある陽圧化装置と呼ばれる機械によって、浄化された空気を密閉された施設内に送り込みます。施設内の気圧を高く維持することで外部から放射能が入ることを防ぐ仕組みです。

おしか清心苑 鈴木静江施設長:
「部分的にではなく施設全体がシェルター化するので、どこにいても1週間は普通に生活できる」
備蓄倉庫も完備。自力避難が難しい入居者らは、まず施設で職員と一緒に最大1週間、屋内退避を行い、その間にヘリコプターなどで仙台市や岩沼市の高齢者施設へと避難することになっています。
清心苑は東日本大震災後、およそ6億円をかけて防護施設としての設備を整えました。