バーチャルから生まれたつながり
バーチャル静岡をきっかけに3Dデータの活用事例を報告し合うネットワークは広がり続け、県内ではクリエーターや研究者が集う交流イベントが相次いでいる。

2025年2月、掛川市で、米ナイアンティックが提供する3Dスキャンアプリ「スキャニバース」のユーザー交流会が開かれた。スマホゲーム「ポケモンGO(ゴー)」を手がける同社の、公式の交流会開催は世界初だった。同月、静岡市では米エピック・ゲームズが提供するゲーム開発ソフト「アンリアルエンジン」の活用事例を紹介するイベントも開かれた。アンリアルエンジンは、オンラインゲーム「フォートナイト」などの制作に使われていることで知られる。
杉本さんはいずれのイベントにも登壇し、パブロさんをはじめ、世界中の個人と企業に、バーチャル静岡が活用されていることを報告した。「バーチャル静岡は私たちの想像を越えて、共創のプラットフォームになっている」と受け止めている。
パブロさんはこの5年、伊豆半島を舞台にした壮大なドライビングゲームをつくり続けている。伊豆半島の6カ所と富士山登山道の計7つのサーキットをすでに"建設"し、プロトタイプを公開している。2025年末までに全コースで"運転"できる状態になり、26年末までにほぼ完成する見込み。完成の暁には、制作工程も公開するという。「他のクリエーターにインスピレーションを与えられたら光栄だ」
(連載1回目おわり。随時配信します/2025年1月24日にYouTubeチャンネル「SBSNEWS6」で配信した『ゲーム作りにも!0から学ぶVIRTUAL SHIZUOKA(バーチャル静岡) 静岡県がオープンデータ化。防災、町づくりへの活用に!』を基に追加取材して加筆、再編集しました)