日常生活に欠かせない表現

「いいにする」は静岡県民にとって、日常のあらゆる場面で役に立つ表現として根付いている。

例えば子どもに対して「いつまでもゲームしないで。もういいにしなさい」と促したり、勧誘を断りたい時に「今日はいいにします」と柔らかく伝えたりと、角を立てずにコミュニケーションを終わらせることができる便利な表現。

静岡県に移住して18年の谷口教授も、「『いいにする』なしでは生きていけないほど、愛用している」という。

(2025年1月10日にYouTubeチャンネル「SBSnews6」で配信した『フジヤマ6 流行語大賞トップテン「もうええでしょう」▶静岡弁では意味が4つも!9割超の県民が知る究極の方言 真相に迫る』を基に再編集しました)

<プロフィール>
谷口ジョイ(たにぐち・じょい)
社会言語学者。静岡理工科大学情報学部教授。日本人の母とアメリカ人の父のもと、幼少期はカリフォルニアですごし、6歳で来日。神奈川県で育った。2019年から静岡理工科大学所属。静岡県葵区の井川地域をはじめ、県内の方言を研究。3児の母。藤枝市で古民家暮らし。ヤギを飼っている

野路毅彦(のじ・たけひこ)
京都市出身。SBS静岡放送アナウンサー。SBSラジオ「サンデークリニック」の聞き手を務める。企画から取材、制作、番組進行を手掛けたラジオ番組「方言アクセントエンターテインメント〜なまってんのは、東京の方かもしんねーんだかんな〜」が2024年、第61回ギャラクシー賞ラジオ部門大賞を受賞