1966年、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件で、死刑が確定している袴田巖さんの再審=やり直し裁判の判決が、9月26日午後2時から静岡地方裁判所で言い渡されます。袴田さんには無罪が言い渡される公算が大きいとみられます。
いわゆる袴田事件は、1966年、旧清水市でみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、袴田巖さんの死刑が確定したものです。
袴田さんは、判決確定後も無実を訴え続け、2023年3月、東京高等裁判所が再審を認めました。

再審で最大の争点となっているのが、事件から1年2か月後、現場近くのみそタンクから見つかった「5点の衣類」です。
着衣についていた「赤い血痕」について、検察側はみそ漬けされても血痕の赤みが残る可能性はあるとして死刑を求刑した一方、弁護側は、「捜査機関によってねつ造されたものだ」と無罪を主張しています。

再審公判は15回の審理を経て、26日午後2時から判決が言い渡されます。
静岡地裁には裁判を傍聴しようと、多くの人が詰めかけ関心の高さを表しています。
袴田さんは、長年にわたり拘置されたことで精神的に不安定な状況が続いていることから出廷は免除されていて、26日も姉のひで子さんが巖さんの代理として出席します。

<袴田さんの姉 ひで子さん>
「もちろん58年闘ったから、もういい加減にしてもらいたいと思っております。本当のことを言うと、やっぱり裁判ですからね、まだわかりませんがね。本当にきょうを最終にしてもらいたい」
死刑事件で再審が行われた過去4件は、いずれも無罪判決が言い渡されていて、袴田さんも無罪とされる公算が大きいとされています。