子宮頸がんを防ぐための「HPVワクチン」。接種の機会を逃していた女性が無料で接種できることを周知するための活動が7月24日、静岡市の専門学校で行われました。背景には、子宮頸がん特有の傾向があります。
<静岡社会健康医学大学院大学 溝田友里准教授(厚労省参与)>
「1クラス35人の女子クラスで換算した場合だと、だいたい2クラスに1人ぐらいの方が子宮頸がんになります」
静岡デザイン専門学校できょう行われたセミナー。目的は、子宮頸がんを予防するHPVワクチンの「キャッチアップ接種」を知ってもらうためです。
厚労省は2013年、HPVワクチンを小学6年生から高校1年生の女子を対象に、無料で受けられる定期接種を始めましたが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次いだことを受けて、接種を積極的に勧めることを控えていました。
その後、安全性が確認されたとして、2022年から接種の呼びかけを再開しました。
<静岡社会健康医学大学院大学 溝田友里准教授>
「30代までにがんの治療で子宮を失ってしまう、妊娠できなくなってしまう方も1年間に約1000人います」
子宮頸がんは他のがんとは違い、20代の若いうちから患者が増える傾向にあります。キャッチアップ接種は、機会を逃していた27歳までの女性を対象に、公費によって無料で受けられますが、厚労省の調査では、接種対象者の約半数が「制度を知らなかった」と答えています。
<専門学校2年生>
「子宮頸がんという言葉は聞いたことはあるんですけど、深くは知らなかったので、家族と話し合いたいなと思いました。自分で10万円払わないといけないと思うんですけど、公費でできると知れたのでよかったです」
<静岡社会健康医学大学院大学 溝田友里准教授>
「公費で受けられるのは、2025年の3月末までなんですけれども、接種は合計3回で約6か月かかるので、実際に公費の間に接種を希望する方は初回の接種を遅くとも9月末までには受けないといけないということをぜひ知って頂きたいと思います」
国や県は、ワクチン接種のほか、2年に1度の子宮頸がん検診も呼びかけています。