なんと、冷たい水を浴びて心身を清める「水行(すいぎょう)」を一日の中で最も冷え込む早朝に行うというのです。

穂高地区の30日朝の最低気温は3.2度と、冷え込みは弱かったもののそれでも水道の水は10度。

その姿、見ているだけで身が縮みます。

水行の目的や願い事を記した「水行肝文(すいぎょうかんもん)」を唱えながら、手桶に汲んだ水を勢いよく繰り返しかぶります。

中込さんは20代のころ千葉県の寺へ修行に出て、一日7回、3時間おきの水行を100日間続ける「大荒行堂(だいあらぎょうどう)」を達成。

実家の寺に戻ってからも、10月から3月までの冬の期間は毎朝の水行を自分に課してきました。

中込義孝副住職:
「自分の中で足りないものを何となく感じていて、何かその足りないものを埋められるんじゃないかと思って水行をしてたんですけど、だんだん私自身が行ってる水行って、お祈りの形なんじゃないかなって思うようになって。そこから今では、誰かのために、世界平和でもいいですし、そういったことも含めて、いろんなお祈りを込めながら水行をさせていただいております」

水行を続けることで意識が変わり、たどり着いたのが「誰かのために祈ること」でした。