ところで、本はどうやってノートに生まれ変わるのでしょうか?

「バリューブックス」で回収された本は、大阪・泉南市(せんなんし)にある製紙工場で再生紙に加工されます。

「パルパー」と呼ばれる巨大なミキサーにかけ、原料を溶かします。


工場では、文庫本だけではなく、マンガや雑誌も、紙に加工していきます。

山陽製紙・長谷川将之さん:
「一枚一枚表情が違ってくると思うし、皆さんの想いが入っている紙なので」

紙になったら、松本市にある印刷工場に送られます。

ここで、表紙や帯などの印刷を行いますが、この過程でもこだわりがありました。


藤原印刷・藤原隆充さん:
「これが廃インク、使い終わったインクを空き缶に集めたもの、細かく余ったものを『本だったノート』に再利用しています」

こうして、値段を付けられなかった古本は、文庫本だけでなく、漫画や雑誌も、ノートに変わっていくのです。

藤原印刷・藤原隆充さん:
「本を作っている印刷会社で本だった紙が、もう一度本の形になるというのは、すごく流れ的にいいなと思って、これは僕らしかできない仕事だと思ってやってました」

できあがったノートには、一つとして同じものはありません。

そこには大切に使って欲しいという願いが込められています。


バリューブックス中村和義さん:
「本を作ってくれている方とか、本を送ってくれた皆さんにとって、少しでもバリューブックスに送って有効活用されることが良かったねと思ってもらえるものになってくれたらいいなと思っていて、『本だったノート』など『〇〇だった』シリーズは、それに近づいているのかなと思っている」