【動画の一場面】(寺田さん)「きょうはですね、車いすで生活している僕と健常者の妻の1日をカメラに収めたいと思います」

「歯を磨きに行きまーす」「家の中はつかまり歩きで生活しております」

(外出先で)「お店の階段の数は重要」「9段くらならいける(降りることができる)」


4月11日までに投稿された動画は380本余り、チャンネル登録者数10万人を超える人気ユーチューバーです。

自宅は長野市内。

スタッフもいるものの、できる限り自らも編集など制作に携わります。


寺田さんが抱いてきた「夢」が、作品へのこだわりにつながっていました。

■寺田さん「元々お笑い芸人をやっていて、テレビのバラエティ番組に出たいというのがずっと夢だった。最近は編集のテロップ、クオリティもテレビの制作に負けないぐらいで作ることによって、自分の目指していた夢がいまユーチューブの中で叶えていけている」


2014年からお笑い芸人として活動するも、3年で引退。

YouTubeでは、とにかく「笑い」にこだわって動画を作成しています。

例えば、「生きづらさを感じることとは?」をテーマにした、かつての芸人仲間とのトークライブ動画の一場面。


【動画から】
(寺田さん)「まずはね…コミュニケーションがうまくとれない」
(芸人仲間)「車いすの悩み言えや!」                  (寺田さん)「車いすの悩みはあるよ…優先順位としては5番めぐらい」
(芸人仲間)「低いな」

寺田さんは「車いすの人だからと言って一番悩んでいるのが車いすの悩みとは限らない」と言います。

■寺田さん
「みんな人間一緒で 悩んでいるものなんてだいたい一緒ですよ。そういうものをファニーな感じで動画にできたらいいなって」

自らの障がいを笑いに変えることで、より多くの人に届けたいと考えています。

そんな寺田さんの暮らしに変化をもたらしたのが、車の運転でした。


■寺田さん「ずっとひきこもりになって、家で。ただただ妻に送り迎えをしてもらう人生だったので」

ブレーキとアクセルを手で操作できる障がい者用の装置を取り付けて1年。

だんだんと運転にも慣れてきました。


■寺田さん「そんなに大変じゃなかったです。それよりも車に乗れないことが大変でした。楽しい以前に生きているって感じですね」


この日は長野市の南長野運動公園で、妻の真弓(まゆみ)さん、息子の深旅(みたび)くんと撮影です。


3歳の深旅くんは寺田さんの車いすを押したり、膝の上に乗ったりと、すっかりお気に入りです。


(撮影中の真弓さん)
「公園につきました!なんとこれはテイク2です。先日撮ったデータが消えてしまったので立て直してやっていきたいと思います」


家族と撮影をするときは、寺田さんがカメラを担当。
ときに車いすを降りて、動きながらの撮影は、体に大きな負担がかかります。


■寺田さん「大変ですね…ものすごく大変です…もう腰痛いです。ジャングルジムとか行くのも普通のパパだったら率先していけるのに、それができないというのはちょっと悲しいな、というのはあるんですけど」