まだまだお花見が楽しめる信州、山あいに隠れた桜の名所を紹介します。
数千本といわれるヤマザクラが見ごろを迎え、山あいが春色に染まっています。
夢農場マネージャー 水野道子さん:「小鳥が実をついばんで落として増えていったんじゃないかって言って。『小鳥が作った桜の郷』と呼ばせていただいています」

池田町の中心部から東へ車で20分。
陸郷地区にある「桜仙峡(おうせんきょう)」は、山あいに隠れた桜の名所です。
この時期は、数千本といわれるヤマザクラが里山のあちこちで咲きます。
それはまるで「桜のパッチワーク」、今まさに見ごろです。
夢農場マネージャー 水野道子さん:「桜の名所ってたくさんあるかもしれないんですけど、とにかく人が少なくて静かでゆっくり桜を楽しめるそういった場所で、すごくいいかなって思っています」
桜仙峡の中心にあるのが観光農園「夢農場」。初夏になると、ラベンダーが楽しめる観光スポットです。
夢農場は40年ほど前にオープン。
荒れた桑畑を再生させたいと、水野さんの義理の父・龍二さんがおよそ4ヘクタールの斜面に7万株のラベンダーを植えました。
水野龍二さん:「なんかこの地にじっくり腰を据えて花を摘んだり匂いをかいだり、そんなことが体験できる場所があっていいと思う。ひととき夢心地になってもらえれば」

入園は無料で、町の新たな観光名所となりました。
龍二さんはラベンダーだけでなく桜の木も植えました。
水野道子さん「水野龍二のことを『はなさか龍じい』なんて皆さんに呼んでいただいて。ソメイヨシノとかヒガン系のサクラとかオオヤマザクラとかたくさんの品種を植えたので。小鳥のお手伝いをしようっていうことで」
小鳥が作った「桜仙峡」は、龍二さんの「お手伝い」もあって、桜の名所として10年ほど前から県の内外に知られるようになりました。
水野道子さん「(龍二さんは)来てくれた人にとって夢のような場所であってほしいっていうことをいつも考えながら。夢を追う人であった」
しかし、4年前、龍二さんは74歳で亡くなりました。