一方、別の会場では、「初灯篭」の関係者が集まっていました。

初灯籠は、子どもの成長を願って奉納されます。

イカワ来安(ライアン)くん:
「作って、『よいしょ』というところが、めっちゃかっこよかった」

今回の主役の一人となるのは、イカワ来安くんです。

初灯篭は前の年に長男が生まれた家が奉納する習わしでした。

しかし、子どもが減って奉納する家も少なくなってきたことから、7歳の来安くんの家からも奉納することになりました。

たいまつの火を先頭に初灯篭が会場へ向かいます。

来安くんの父イカワ マルセロさん:
「(初灯篭の役目を担って)伝えられないくらいうれしいですね」

会場に到着した火が、社殿近くのたき木に移されました。

午後8時半過ぎ、攻防戦の始まりです。

社殿の下を守るのは、25歳の男性16人。

42歳の男性27人は、社殿の上で構えます。

火の付いたたいまつを村の男性が勢いよく社殿に打ち付けます。

弐喜舞会:
「火持ってこい!」

村では、社殿を守り切って初めて一人前の男として認められます。

およそ1時間半にわたる激しい攻防が終わると、社殿に火が放たれました。

弐喜舞会幹事 望月哲平さん:
「野沢にいる男の人は、これを全員経験しているという事実が、すげーなって思ってて、やっと、野沢の男になれた」

健やかな成長を願って造られたイカワさんたちの初灯篭も燃え上がりました。

来安くんの父イカワ マルセロさん:
「17年後、子ども(来安くん)があそこに入っているからすごく楽しみ」

今年は混乱を避けるため、入場を村民と宿泊客のみに制限しましたが、およそ5000人が雪が降る中で、炎の攻防を見守ったということです。