長野県飯田市の公園で半世紀以上に渡って展示されてきた蒸気機関車「デゴイチ」について、市ではこの先も大切にしてほしいと、引き取ってくれる人を募集しています。

飯田市街地の扇町公園にある蒸気機関車。「デゴイチ」の愛称で人気を博した蒸気機関車D51です。


地元のライオンズクラブから寄贈されたもので、1972年から展示しています。

飯田市商業観光課・原佳美さん:
「ぜひ飯田の子どもたちにこういった機関車を見せてやりたいっていう希望があり、国鉄に申し入れをしていただきまして、引き取っていただいた」

長さ20メートル重さ90トンのデゴイチの設置は当時、大きな出来事で広報誌の表紙もかざりました。

飯田市商業観光課・原佳美さん:
「子どもたち大喜びで除幕式のときも、かなりの人でにぎわったというふうなことを聞いております」

しかし、長年の展示で老朽化し、安全面から車体に触れることができなくなると、市民からは「いつ見てもデゴイチの周りに人はいない」、「景観を損ねている」といった意見や撤去や有効活用を求める声が聞かれるようになりました。


市では、今後、デゴイチを維持管理していくことが難しいとして、引き取り希望者の募集を始めました。

飯田市商業観光課・原佳美さん:
「鉄道を愛していらっしゃる方このデゴイチを大切にしていただける方、ぜひ引き取っていただければなというふうに思っております」

市民は:
「小学校のころ遊んだし写生大会とかもありましたよね」
「いい形で残ればいいかなと思っています」
「(引き取り手が)見つかるといいわね」

市民の思い出の中にある扇町公園のデゴイチ。

運搬にかかる費用をすべて負担できることなどが引き取りの条件で、市では今月末まで募集を受け付けています。