オブセ牛乳の創業は1950年。

3代目として社長を務めるのは西岡幸宏(にしおかゆきひろ)さんです。

西岡社長「先代の社長が家内のお父さんで、後を継げる人がいなくて廃業にするという話があったんです」

元々は岐阜県の県庁職員だった西岡さん。

今からおよそ10年前、妻・由佳(ゆか)さんの祖父が始めたオブセ牛乳が後継者不足で廃業になると聞き、まったく別の世界に飛び込むことを決めました。

西岡社長「オブセ牛乳が地域で親しまれている牛乳というのは知っていましたし、後を継ぐ人がいないというだけでなくなるのは寂しいと思って、悩みに悩んで岐阜県庁を退職して、今思うとよく決断したなと思いますね」

創業から70年以上、牛乳だけを製造してきたオブセ牛乳でしたが、西岡さんを待ち受けていたのは消費量や酪農家の減少という厳しい現実でした。

西岡社長「違ったものを考えていかなければならない中、次の付加価値をつけて新しいものを考えていかなければならない」

西岡さんは変革を起こしていきます。

就任して間もなく、県外の人も製品を購入できるよう通販サイトを開設。

オブセ牛乳のおいしさを知って欲しいと開発した菓子や、創業時から変わらない、レトロでかわいらしいロゴを生かしたグッズの販売を開始。

知名度のアップを目指しました。

さらに、2024年5月には、構想から5年をかけて完成した「オブセヨーグルト」を発表。

オブセ牛乳の濃厚な味わいを残しながら、長野県らしさを出すためフルーツとよく絡むとろりとした食感に仕上げました。

西岡社長「第2創業期として、会社のカタチを時代に合わせたものに変えていきたいと思っていまして、第2創業期としての一歩が食べるヨーグルト」

西岡さんが掲げる会社の「第2創業期」。これから始まる「新たな自社製品の開発」の取材が許されました。