長野県が進めるゼロカーボン戦略の一環として、県企業局は水力発電所の改修や新たな建設を進めています。
このほど、現地視察も行われました。


9月13日、伊那市の県営春近(はるちか)発電所の視察が行われました。

参加したのは学識経験者などでつくる県の公営企業経営審議会の委員たち。

発電や水道事業を行っている企業局の現場を知るためです。

県公営企業経営審議会 石井晴夫(いしい・はるお)会長(東洋大名誉教授):
「向こうの建屋は改修ですか?」
県職員:
「そうです。建て替えではなくて元は生かしたまま」

1958年に完成した県営の春近発電所は、最大出力が2万3,600キロワット。

年間で一般家庭およそ2万6,000世帯分を発電してきました。


2022年11月から155億円余りをかけて大規模改修工事を進めていて、2025年4月以降、3万世帯分まで発電量が増える予定です。

県公営企業経営審議会 石井晴夫(いしい・はるお)会長(東洋大名誉教授):
「電力事業のイノベーションも非常に進んでおります。水力発電は100パーセント再生可能エネルギーでございますので、規模的にも全国のモデルケースになる」

この日は、市内の西天竜(にしてんりゅう)発電所も訪問。

もともと、農業用水に使う水路の末端に取り付けられた発電所で、田んぼで水を使う農繁期は運転していませんでした。

しかし、2022年2月に改修を終え、年間を通じておよそ5000世帯分を発電できるようになりました。

こうした改修の背景にあるのは、県が進めているゼロカーボン戦略です。

二酸化炭素の排出量を、2010年度の1554万トンから、2050年には実質ゼロにすることを目指していて、2030年度には622万トンまで減らす高い目標を掲げています。


県企業局は水力発電所4か所の改修と5か所の新規建設を進めていて、送電網が被災しても、それぞれの地域で電力供給ができるようにするなど、防災拠点としての機能の強化も図っています。

県公営企業管理者・吉沢正さん:
「地域と連携した発電施設というものに取り組んでいるので、いろんな利用の仕方とか地元の皆さんの学習の場とか交流の場とか、地元も一緒になりながら、地域の皆さんに発電のことをご理解いただいて、取り組みを進められるようなそういう発電所になればいいなと思っています」

気候変動による災害が目に見えて増える中、温室効果ガスを減らすための取り組みが進められています。