いずれも農業を出来なくなった人などから預かっているのです。
農地を預けた男性:
「労力がないもんで、女房と2人では面積が大きくて、できなくなってしまって、荒廃農地を作ってしまうとえらいことになってしまうので、去年からお願いしました」
そばを育てることで農地が荒れるのを防ぎ、景観にも一役買っています。

全国に誇れる信州そばを作ろうと、かまくらやが歩み始めたのは2009年のこと。
従業員はスタート時点で3人でしたが、およそ15年で33人まで増えました。
今、力を入れているのが「農福連携」です。
2021年に子会社・安曇野みらい農園を立ち上げると、障がい者の自立した生活に向けた就労支援事業もスタートさせました。
安曇野みらい農園には、現在、12人の利用者が在籍。
野菜のカットを担います。
上原記者:
「1日に何キロ切るんですか?」
利用者:
「200キロくらいですかね…」
細萱さん:
「違います!300ですよ!」
1日にカットするのはおよそ300キロ。
その日のうちに県内の食品メーカーなどに出荷されます。
指導員を務めるのは細萱愛麟珠(ほそがや・ありす)さん22歳です。
細萱さんは入社2年目。
親会社のかまくらやから出向しています。
「サラリーマン」である以上、時には「出向」を命じられることもあるのです。
細萱愛麟珠さん:
「今年2月に(出向で)来てから、毎日作業を一緒にしていくなかで、みんなのことを頼りたいし、頼ってほしいとも強く感じていて、みんながいないと仕事が回らないので、いいチームとして量も質も高めあえる様になりたい」
利用者も出荷という大切な工程を任されることで責任感も生まれています。
利用者:
「自分がカットした玉ねぎが加工されてスーパーなどに出されるので、そこにやりがいを感じます」

県によりますと、農業法人として新卒者を毎年採用していることや、障がい者の就労支援を農業と結び付ける取り組みは全国でも珍しいということです。
若手の「社員」が新たなチャレンジを続ける原動力となっています。