諏訪市が舞台となっているアニメが、11日からSBCテレビで放送が始まりました。
人気漫画「逃げ上手の若君」のアニメ化です。

舞台となるのは鎌倉時代末期。
信濃の地から「中先代(なかせんだい)の乱」を起こした執権・北条家、時行(ときゆき)の話です。

鎌倉幕府が滅亡したとき、時行は、故郷の鎌倉を追われ信濃の地へ身を隠しました。
2年ほど諏訪にいたと言われています。

その時行が「中先代(なかせんだい)の乱」で鎌倉を奪還する、アニメはそんな動乱の世を駆け抜けるさまを描いた物語となっています。
諏訪市ではアニメの放送に合わせて、ゆかりの地をめぐるツアーも始まっています。


映画作品などのロケ地として使われている諏訪地域。

物語の舞台となっているアニメ「逃げ上手の若君」のスタートに合わせ、諏訪市のタクシー会社・諏訪交通では、ゆかりの地をタクシーで巡るサービスが始まりました。

案内人を務めるのは長島邦英(ながしま・くにひで)さん。

幼い頃に読んだ歴史漫画で、ぐっと引き込まれたという大の日本史好きです。


長島さん:
「教科書にも一瞬しか出てこない、テストが終わったら忘れてしまう存在の北条時行にすごく惹かれたんですよね。改めて諏訪の歴史ってこんなんなんだよというところを伝えられるストーリーが出来ていると思って」

日ごろはタクシードライバーを務める傍ら、好きが高じて今では、副業として歴史を解説するYouTubeチャンネルに台本の提供もしているといいます。

心強い案内人と共に取材班は、ゆかりの地を巡っていきます!

車を走らせること15分ほどで下諏訪町の諏訪大社下社秋宮に着きました。

「到着ですね」

長島邦英さん:
「金刺盛澄(かなさし・もりずみ)という人で、諏訪家の一族でこの下社の大祝(おおほうり)職の人なんです。実はこれが諏訪大社と鎌倉幕府を結び付けて、やがて北条家との結びつきも生まれていくきっかけとなったものなんです」

諏訪大社の神職だった金刺盛澄は、流鏑馬(やぶさめ)の名手で、暴れ馬を乗りこなしながら弓をすべて的中させた腕が源頼朝に認められたことで幕府との結びつきが生まれます。

その縁でアニメの主人公・北条時行が諏訪の地に身を隠すことが出来たとされています。


長島邦英さん:
「逃げてきた幼い子(北条時行)を危険を承知で匿うという強さと優しさを兼ね備えている信濃武士が登場するのが(作品の)魅力ですね」

長島さんは、アニメのストーリーと絡めて解説してくれるため、歴史的な背景も知ることができます。

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