2016年から諏訪市で活動を始めた、リビセン。
代表の東野唯史さんは、空間デザイナーとして全国各地を回る中で、まだ使えるものを救う仕組みの必要性を、感じてきたといいます。
リビセン 東野唯史代表:
「地域資源のリユースカンパニーというふうに言ってるんですけど、ただ古物商として古いものを引き取ってきて、リサイクルショップのように販売するっていうよりは、誰かの気持ちを繋ぐことで、そのものが次の人により大事にされるきっかけになるっていうふうなところが、やっぱ大事なんじゃないのかなと思ってるんで」
この日、リビセンのスタッフが訪れたのは、建て替えのため翌日から解体工事に入る予定の、市内の公民館です。
スタッフ:
「“床板レスキュー”する場所は、1か所は舞台の上のフローリング」
今日は何を?
リビセン 百瀬貴成さん:
「畳の下ってこういうふうに床板が張られているんですけど、この畳下の床板と、そっちにあるようなフローリングも無垢の木ですごくいい木なので、お引き取りしたいなということで」
リビセンでは、空き家など解体される建物に使われる古材(こざい)も、直接現場に赴きレスキューしています。
こうした廃材は、本来なら「廃棄物」として家主が業者に処分費用を支払うものですが、リビセンのレスキューは真逆。

レスキュー作業は無料で、商品にできるものがあれば、依頼主に買い取り金を渡します。
さらに、依頼主から聞き取ったエピソードや思いなどは、商品の情報としてデータベースに加えられます。
依頼者 小泉悦夫さん:
「小宮のお祭りやるときにはここに百何十人集まって、このステージで演劇をやって、ここで“なおらい”をやった思い出の場所。染みついた歴史が、また次の時代に引き継がれて呼吸をするってすごいことだと思います」
築100年弱という建物からは、床板のほか、壁に張られた腰板(こしいた)、縁側のガラス戸や鏡などが次々とレスキューされました。
こうした古材のレスキューは、月に1件ほど。

引き取ったものはリビセンの作業場に運ばれ、くぎを外して表面を磨くなどのメンテナンスを施したあと、店頭に並べられます。
リビセン 東野唯史代表:
「これも床板ですね。この穴が開いているところは全部くぎで留まっていたので、これを1個1個抜いて」
「リノベーションとかで使いたいという人が買っていってくれたりとか、僕らも設計とか家具の製作とかで使ったりもする」















