地域移行とプロスポーツ Jリーグチームでも

岡山県内では、ほかのプロクラブチームも、地域移行に向けた取り組みを進めています。

サッカー・Jリーグのファジアーノ岡山。

ファジアーノは、岡山県内19カ所でサッカースクールを運営していて、約1100人の子どもたちを指導しています。

(スクールに通う中学生)
「(スクールは)いい環境と、いいコーチがいることで学べることは多いので、自分自身上手くなっているなと感じます」

(ファジアーノ岡山スポーツクラブ 原田貴志コーチ)
「部活動ができない子どもたちに、我々が関わることで、部活動ができてサッカーに携われることであれば、サッカーの発展につながると思う」

ファジアーノは今年3月、岡山大学との間で、附属中学校の部活動に講師を派遣する協定を結びました。

(ファジアーノ岡山 北川真也社長)
「学生にとってもプラスが生まれる。ファジアーノにとってもクラブの活動に寄与していく。そんな取り組みにしていきたい」

試験的な取り組みとしながらも、ファジアーノは今後、得られたノウハウや課題をもとに岡山でのモデルケースを作りたいと意気込みます。

(ファジアーノ岡山 大谷聡重理事)
「外部から指導者が入ってくるというのは、(附属中学校にとっても)おそらく初めての機会になってくると思うので、安心してもらえる実績を作らないと、その後続いていかないかなと」

「限られた機会のなかで、トライ&エラーを繰り返しながら、よりよいものにブラッシュアップしていきたい」

ポイントは「財源確保」

しかしクラブとして、部活の地域移行を推進するためには課題もあると言います。

(ファジアーノ岡山 大谷聡重理事)
「なんといってもお金のところ、財源のところ。民間委託、外部委託というとこで支出をどう学校側、教育委員会側でまかなっていくか、そこをどう調達準備していくか」

部活動の地域移行を目指し、行政として財源確保に向けた新たな動きもあります。

香川県三豊市は今年8月、東京のコンサルティング会社と連携し、地域移行を進めるための支援策の検討を始めました。市では外部指導員の報酬や施設の使用料などに「企業版ふるさと納税」を活用する方針です。

(ファジアーノ岡山 大谷聡重理事)
「やはり学校であったり、教育委員会、さらには自治体がこういうふうにしたいんだと道筋を描いて頂いて、民間のスポーツクラブは持っているノウハウがいくつかありますので、うまくフィットさせられるようなサポート体制を敷いていくのがいいのかなと」

どうすれば地域のクラブチームが、部活動に対して積極的に携わることができるのか? 制度や仕組み作りをはじめとした議論を深めていくことが求められています。

(スタジオ)
クラブチームによる部活動への関わりはほかにもあります。バレーボールの岡山シーガルズは岡山市と取り組みを進めていて、今年度、市内にある中学校の合同部活動に2度、コーチを派遣しています。

短時間の練習でしたがプロの指導を受けたことで、選手たちの上達が見られたということです。