■なぜ"廃墟”とも呼ばれた吉備高原都市で起業を?
そんな街に再び追い風が吹き始めています。IT技術の発達で地方にいても世界とビジネスができる時代となり、起業家らが集まり始めたのです。
(SolidLove 栃原悠希さん)
「(今作っているのは?)お母さんに送っていただいた母乳と赤ちゃんの産毛、生まれたばかりの繊細な産毛、これがホワイトゴールドの18金の指輪になります。」

世界にひとつだけの母乳ジュエリーです。母乳が発する、白い輝き。母乳ジュエリーの技術は、かつて暮らしたオーストラリアで学びました。ジュエリーデザイナーの栃原悠希さんは2年前に吉備高原都市に移り住みました。

(SolidLove 栃原悠希さん)
「私は夫が外国人なので、日本に移住する条件が一つだけあって『地震がないこと』…やっぱり海外の方には日本が地震大国っていうので、すごく恐れられている部分があるので絶対に東京はアウト、そこにもぴったり吉備中央町があてはまっていた。」
■「強固な岩盤」の上に立つ吉備中央町の利点
災害の少なさも注目されています。吉備高原は日本列島が形成される約3400万年前の地殻変動でアジア大陸から切り離された、強固な岩盤でできていると言われています。


(地球史研究所 乙藤 洋一郎 所長)
「大陸のかけらが吉備高原をつくっていますから。大陸というのは、本当は地震が起こらないところなんです、アジア大陸でもヒマラヤを除くとほとんど動かない。そういうところは非常に安定しているんです。」
■シリコンバレーに代わる場所に
岡山県内の財界も注目しています。去年、起業家のチャレンジをサポートする協会が立ち上がりました。

(吉備高原オープンイノベーション協会 中島 基善 会長)
「私も吉備高原都市に行ってみてずっと見て回ると、結構県外からの移住者がいて若い人でスタートアップベンチャーを志している方がいた。アメリカのシリコンバレーに代わるようなイノベーションヒルズ、オープンイノベーションが起こる地域にしていきたい。」

価値観が多様化し、地方が見直されている時代。吉備高原都市は再び人を引き寄せる街になっています。