手元のミリ単位のズレで矢の向きは数十センチも変わる…フォームの模索
(中西絢哉選手)「この冬はずっと打ち方を変えながら右肩の調整も含めて詰めていこうと思っていたので」
高校生の時に「右肩」を痛めて以降長年、痛みや違和感に悩まされているといいます。五輪に万全の状態で挑むため昨年11月から肩への負担が少ないフォームを探る日々が続いています。
アーチェリーは手元のミリ単位のズレにより的に向かう矢の方向が数十センチも変わる競技です。弓を引く力加減や左手の位置などベストなフォームを掴むため体勢を細かく調整していきます。

(シーアール物流 溝井利和アーチェリー総監督)「持ち手の肩の位置を変えたんやな」
(中西絢哉選手)「はい」
(溝井利和 アーチェリー総監督)「すぐわかった。」
(中西絢哉選手)「だいぶ変えましたからね」
(溝井利和 アーチェリー総監督)「これだというのを早く見つけて、それでしばらく打ち込んでマッチ戦で対戦して、これで勝てなかったら、メダルはとれないので。そこのメンタルの強さを磨いていかないといけないかなと思っています」

フォームの模索を続ける中、今月(2月)17日から2日間、長崎県で開催されたアーチェリー室内競技の全国日本選手権に挑みました。室内競技は冬の時期に行われる種目で、18メートル先にある的を狙います。パリ五輪では個人・団体の両方に出場する中西選手。この日は五輪の舞台でのライバルであり仲間でもある古川選手、斉藤選手も出場しました。
(中西絢哉選手)「調子は完璧ではないんですが、なんとなく探りながら、確認できたらいいかな」

時折、矢を放った後に肩を回すなどして感覚を確かめる中西選手。今回、結果は9位に終わりましたが、パリに向けて確かな手応えを得たと言います。
(中西絢哉選手)「アプローチの中で煮詰めていったら、今後、いい調子に持っていけるというところもあったので、パリに向けて肩の調子を確かめて、どういうアプローチにしようか決めようと思って来ていたので、そういう面ではしっかりと収穫があった」
団体メンバーは4月から開催される五輪の前哨戦となるワールドカップに参戦します。

(アーチェリーパリ五輪代表 古川高晴選手⦅近畿大学職員》)「(中西選手は)打つ順番が3番手で打ってもらう予定なので、その3番手で10点に決めれば、メダルがとれる。そういう場面でしっかり決めることを期待して、それが十分にできる選手だと思っています。今年夏までに3人の調子をしっかり上げて、もっとチームの力を強くして、この3人でパリでメダルをとれるように頑張りたいと思います」

(中西絢哉選手)「いろんな方から頑張ってと言っていただいて、すごく感謝していまして、パリではしっかりとアピールをして、みんなのエネルギーになったらなと」