熊本地震で被災した熊本城の宇土櫓(うとやぐら)、現在の姿が見納めとなる前に報道公開されました。
築城当時(1607年)の姿を残し「第三の天守」とも呼ばれる熊本城の「宇土櫓」。

熊本地震で大きな被害を受けたため、全て解体され、およそ9年かけて、元の姿に建て替えられます。
解体工事が年明けから本格化するのを前に、最後の姿が公開されました。

地上5階、地下1階建てのやぐらは雨風を防ぐための「素屋根(すやね)」と呼ばれる囲いに覆われています。この素屋根の中に入っていきます。
記者「中に入りますとこのように宇土櫓を間近で見ることができます。そして、地震などにより瓦や外壁が崩れていることがわかります」

中には至るところにはがれ落ちた瓦や外壁が。今も地震が起きた当時のままの状態です。
これは、地震で倒壊した続櫓(つづきやぐら)とのつなぎ目部分。地震の爪痕が色濃く残っています。

また、素屋根の最上階に上がると、建物が北に傾いているのもわかります。

宇土櫓は解体に2年、調査や設計でさらに2年、組み立てに5年かかる見込みです。熊本城総合事務所は、復旧工事を進める中で「宇土櫓の歴史も紐解きたい」としています。
再びやぐらを見られるのは、2032年の見込みです。