情報開示は十分か——専門家が感じる「不透明感」

伊藤名誉教授が特に問題視するのが、市による情報開示の不十分さだ。市民が判断するのに必要な情報がいまだ開示されていないのではないかという疑念を、いくつかの具体例を挙げながら説明した。

●今ある市庁舎の耐震構造に関する専門家の議論が全面開示されていない
●事業費が増大した根拠となる単価上昇の計算過程が不明確
●市債の活用額とその財政的影響が分かりやすく示されていない
●市役所と中央区役所を2棟に分けることが市民の利便性に与える影響が不明
●NTT跡地の土地取得費(当初70億円とされていたが後に95億円と判明)の開示が遅れた

「まだ市が開示していない情報があるんではないかとか、市民が判断するのに十分な情報を開示しているんだろうかというところは、もう少し考えてみてもいいかなというところですよね」

加えて、市が今後設置するとしている「検証委員会」(有識者会議)の性格についても疑問を呈した。「何を検証するのか。これが下がる可能性があるということを含みで検証するのか。いつまでに検証するのかとか。これは選挙の前に間に合うのかとかですね」。6月議会での条例案審議を経てから設置されるとなれば、秋の市長選前に結論が出るかどうかは不透明だ。