店が道路に…店主と客、自治体、建物オーナー それぞれの “心境”
松野さん「ここを出て下さいって言われている。区画整理の関係でそう言われるけれど、次に行く場所がはっきりしないのに、出てくれと言われても困る」
益城町の区画整理事業が、県道熊本高森線の四車線化事業と並行して進んでいます。

串焼き店「松竹」が入るこの建物もその対象で、店がある場所に新たな道路が整備される事が決まっています。これには、常連客も複雑な心境です。
地元の常連客「区画整理も大事なことだが…地元に根付いたお店や地元の人が愛するお店は、どういった形かで残してほしい」
地元の常連客「友達のお店も近くでやっているが、そこも移転しないといけない。でも、お店をする場所がない。店は軒並み減るばかり」

「松竹」が入る建物は貸店舗のため、松野さんの意志で建物をどうするか決められません。この取材後しばらくしてから、建物のオーナーから正式に「8月31日で賃貸契約終了」の通知が届きました。
松野さん「これは仕方がないと言えば仕方がない」

建物のオーナーはRKK(熊本放送)の取材に「別の場所に新しく建てたい気持ちもあるが、建築費が高くて厳しい」と心情を語りました。
一方、区画整理を進める県と益城町は、松竹の場所には道路が必要だと話します。
益城復興事務所 奥村知明所長「交通広場や益城町役場に繋がる避難道路の位置付け」
熊本地震では倒壊した家屋などが道路を塞ぎ、救助活動にも影響したことから、整備が必要と強調しました。