熊本地震の発生から9年が経っても、熊本県益城町は大きく変わり続けています。4月14日の朝、町長や町の職員が黙とうを捧げ、慰霊碑に花を手向けて亡くなった人たちに思いを寄せました。

益城町 西村博則町長「風化させることなく、伝え続けることが一番大事。これが益城町にとっての一番の責任かと思っている」
益城町では県道を4車線に増やす工事が進められていて、3.8キロのうち1.6キロがすでに開通しました。残る2.2キロは、来年3月までに開通する予定です。
青谷倫太郎アンカー「益城町木山の県道沿いです。向こう側が熊本市方面です。いま4車線化の工事が進められていて、多くの工事関係車両が行き交います」

4車線に増やすことで渋滞の解消などが期待される一方で、周辺の住民には困ったこともあるようです。
県道の近くに住む野田さん夫婦が明かします。
野田文明さん(83)「毎晩、夜間工事をしている」
野田セツ子さん(85)「午後9時から午前5時ごろまで。うるさいのはうるさい。毎晩、睡眠導入剤を飲んでいる」

野田さん夫婦の自宅は地震で全壊しましたが、6年前、同じ場所に再建しました。
しかし区画整理事業の関係で自宅の土地を明け渡す必要があり、今年、新築する家に引っ越します。9年たっても、まだ落ち着くことができません。
セツ子さん「この家は壊さないといけないんです。9年間は激動でした」

県道沿いの文具店の目の前では、4車線化の工事が行われています。
山口文具店 山口宏子さん「工事中だからお客さんの数も少ない。こっちまであまり来ない。しょうがない。道路がきれいにならないと」

道路が広くなることで、車の流れが変わることも心配しています。
山口さん「道路が広くなるから、(横断して)向こうに行くのは怖いですね」
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