
県はこうした状況を打開するため、去年(2024年)4月から6月に土地の購入者を公募したところ、五つの会社が興味を示し、購入後の事業内容を提案していました。
そして県が提案内容を審査した結果、
・自然環境を生かした提案
・国立公園内の開発に経験がある
といった点を評価し、売却先をマリーゴールドHDに決めました。
今後どうなる?「観光に新しい価値を」
マリーゴールドHDはこの場所にデイキャンプ場やグランピング施設からなるアウトドアゾーンを設けるほか、企業に呼びかけて広葉樹の植樹などを行う森林保全活動ゾーンも設置する予定です。
マリーゴールドHDは「熊本県上天草市の国立公園内に所有するリゾートホテルと、阿蘇くじゅう国立公園にある阿蘇ソフトの村をパッケージ化することで観光に新しい価値を付けられるのではないかと思い、購入に手を挙げた」としていて、2030年の開業を目指しています。
県は今年(2025年)3月末までにマリーゴールドHDと正式に契約する予定です。

4億6000万円以上の「赤字」で県は…
しかし売却予定価格は約1250万円で、投資した約4億8000万円の2.6%程度にとどまります。
税金を投じた結果、4億6000万円以上の赤字を出して売却することについて県は「計画策定当時には、複数の企業進出の見込みがあり、当時は日本経済がそこまで低迷することは予見不可能だったが、もう少し早い段階で方針転換があっても良かった」としたうえで、「包括外部監査で『ソフト開発企業に適しているとは思えない立地である』などの指摘がなされたことを踏まえると、見通しが甘かったという指摘はやむを得ないものと考えている」とコメントしています。