彼らが所属するのは、八代市にある「みやじまロボットクラブ」。

みやじまロボットクラブ 吉田秀人さん
「新しいものを考えて生み出す力を身につけることが目的」

小学生から高校生まで学ぶこちらのクラブでは、ロボットづくりを通して発想力や実践力など、自分で考える力を身につけることを大切にしています。
クラブ生
「今、宇宙エレベーターのロボットを作っています。自分の思い通りに動くのが面白い」

クラブ生
「プログラムを作っています。失敗してまた作り直すところが面白い」

そんなクラブのエースが「MRCセミコロン」というチームの3人。現役高校生です。

今年行われた国際ロボットコンテストの全国大会で準優勝。日本代表として11月にドイツで開かれる世界大会への切符を手にしました。

ー 今何をやろうとしている?
サブメカニック サブプログラマー 田代汀さん
「きれいな満点を取るための調整です」

大会では、事前に課題が出され、それをクリアするためのオリジナルの自動ロボットを作ります。
メカニック担当 泉 徳浩さん
「カラーセンサーでブロックを読み込んで、色を読み込んで動かします」

識別ブロックが白なら、青と白のブロックを台に置きます。識別ブロックが緑ならボールを指定の場所に移動させます。操縦者がいないため、ロボット自ら判断する仕組みをゼロからチームで作り込みます。
ロボットの組み立てには、大会規定のプラスチックのブロックを使用。

また、使用できるモーターの数にも制限があるため、複数の歯車を組み合わせ複雑な動きに対応できるようにします。

ー こだわりは?
泉さん
「全部じゃない?ここにひっかかりがあって、上から下げる時だけここに引っかかって、アームが空中で開く。この仕組みは全国で僕たちしかいないです」

大会では部品がバラバラの状態でスタート。その場で組み上げて、当日追加発表される課題をクリアするためのプログラムを組み込みます。まさに対応力が求められるロボット競技、実はそこに彼らの強みが!
「練習と経験。どうすれば全国大会で勝ち抜いて日本代表になるかというノウハウが蓄積されている」
元々3人は、小学生の時から全国大会で競い合ったライバル同士。

宮崎市在住の田代さんは、2021年は宮崎代表として出場。しかし、今年は県単位ではなく南九州ブロックとして予選会が行われたため、熊本と宮崎のトップ同士でチームを結成しました。

プログラミング担当 上塚 覚弘さん
「頭の中で想像したような動きができた時が本当に楽しい」
泉さん
「一番楽しいんですよね、ロボットを作ることが」
田代さん
「上塚くんの1回で合わせるプログラムの力とか、泉くんのメカもめちゃくちゃすごくて」
それぞれの経験が大きな力になっています。世界大会まであと2か月、今はマシンの試運転を不具合が出るまで何度も繰り返します。
ー 何回くらいテストしてきたんですか?
吉田さん
「1000回以上は…」
田代さん・泉さん
「1000回で済みます?もっといっているかも」
吉田さん
「最低でも1000回は」
大会から課題が発表されてから8ヶ月、何度も何度も改良を重ね、今は13号機。

吉田さん
「失敗のポイントをどれだけ見つけるかも勝負の強さで、何度でも失敗が出るまで走り続ける」

夏休みもほとんどロボットに費やしました。
田代さん・泉さん
「夏休みは午後2時ぐらいに来て、午後10時までやっていたので…世界に行くために。夢を叶えたいから」

小さな頃から夢見てきた世界の舞台。次はその夢の舞台で結果を出すため日々ロボットの研究を重ねています。
田代さん
「世界大会で上位になる」
泉さん
「僕たちしかつくっていないこの技術をもっともっと改良していって、世界大会で通用するロボットに仕上げていくのが目標です」
上塚さん
「8年間続けてきたので、その集大成を作り上げたいと思います」
いざ世界の舞台へ!
