「水俣病かどうか」を審査するための認定制度のベースとなる『公健法』という法律が施行されて9月で50年を迎えました。

この法律に基づく審査に2万2563人が申請しましたが、認定されたのは8パーセント程度に留まり、今、公健法のあり方に疑問を持つ専門家もいます。

5年前に『胎児性水俣病』の疑いと…

熊本県八代市出身の藤枝静香(ふじえだ しずか)さん62歳。今年7月、伊藤環境大臣に直接訴えたのが…。

水俣病の被害を訴える 藤枝静香さん「水俣病認定の申請をしましたが、棄却されました」

藤枝さんには幼い頃から手足のしびれや思ったように言葉を発することができないなどの症状があり、脳性小児麻痺と診断されていましたが、5年前、医師から『胎児性水俣病』の疑いが濃厚だと告げられました。

藤枝さん「(診断を受けた時)横にいたお母さんは泣いていて、自分を責めたから『お母さんは悪くない』って言った」

魚の行商をしていた母・有枝(ありえ)さん(享年90)は毎日 不知火海で獲れた魚を食べていたと言います。

2019年、藤枝さんは母とともに水俣病の認定申請をしましたが、結果は共に棄却。

長年症状に苦しんだにも関わらず理由の説明もなく、水俣病ではないと判断されました。