機械には弱いけど「凄い人」

森下さんの一番苦手な授業は、ノートパソコンを使う「調べ学習」。商業科では必須科目です。

先生「森下さん、クロームブック(ノートパソコン)はありますか」
森下さん「ありますよ!ありますけど…使い方がよくわからない」

すると、森下さんはロッカーから辞書を持ってきました。

森下さん「漢字のど忘れがひどいんですよね」
――パソコンで変換したら出そうですが?
森下さん「出るけど、また今の画面を消さなくては…」

機械にめっぽう弱い森下さん。同級生がお手伝いして何とか乗り切っています。
クラスメイトの山本翔さん(17)からは、厳しめの一言も。

森下さん(左)とクラスメイトの山本さん(右)

森下さん「50年遅れで高校に入ったからみんなとの学歴の差が大きくなった」
クラスメイト「そこをなんとかするために高校に入ったんでしょ」
森下さん「そうね」
クラスメイト「そこらへん頑張っていこう」

クラスメイト 山本翔さん(17)「森下さんのことは“普通の生徒”として見てるので、特別扱いはないですね」

森下さん「高校入学した時には、最初はみんなが怪訝な顔だった。私がこんな顔をしているもんですから。でも2か月後にはみんなベラベラしゃべるようになりました」

学校で最年長の森下さんにとっては、先生だって年下です。“若い世代”の生徒たちからはどう見られているのでしょうか。

2年生の生徒「若者よりも元気な感じしてる。すごいです、本当に」
山本さん「仕事と学校を両立できる凄い人ですかね」

一方、トランプで遊びながらジェネレーションギャップを感じる会話が出てくることも…。

森下さん「ハートのエースは、キャンディーズだった」
生徒「なにそれ?」

毎日張り切って勉学に向かい、いつも笑顔が絶えない森下さん。今でこそ若者たちにとって刺激を与える存在ですが、入学を決めた2年前までは違っていました。