裁判所「更に重大な事故になる可能性」指摘も執行猶予付き判決

福岡地裁小倉支部(武林仁美裁判官)の判決は事件の危険性を認めつつも、被害結果や被告人の状況を総合的に判断した内容となった。
福岡地裁小倉支部は事件について「被告人が飲酒運転の末に居眠りをして右折停止中の対向車両に衝突した人身事故の事案である。アルコールが被告人の運転に著しい影響を与えたことは明らかで、当然のことながら居眠りしながらの運転は非常に危険であり、現に人身事故を起こしてその危険が顕在化している」と認定。
その一方で、量刑については「幸いにも被害者は両名とも比較的軽い傷害を負うにとどまったが、状況が少し異なれば更に重大な事故になる可能性もあった」と指摘したうえで
・傷害結果が重大なものには至っていないこと
・中園被告に交通違反歴はあるものの前科はないこと
・中園被告が事実を認めて反省の態度を示していること
・中園被告が運転した車にかけられた父親名義の自動車保険によって被害者2人に適切な損害賠償が行われるものと見込まれること
などの事情を考慮して
中園被告に懲役1年2か月 執行猶予3年の判決を言い渡した。
(検察側の求刑・懲役1年2か月)