最近ぼーっとしましたか?

ぼーっとすることを競う大会が9月14日、北九州市で開かれました。

そこには、「余裕がある人がかっこいい」と考える1人の大学生の思いがありました。

思い思いの衣装を身につけ、じっと動かない人たち。

寝ている…のではなく、目を開け、無表情で一点を見つめています。

14日、JR小倉駅改札前の広場で開かれたのは、「ぼーっとする大会」。

ルールは、60分間何もせずにぼーっとし続けることだけです。

時計を見たり、居眠りをしたりすると脱落となります。

居眠りして脱落した人
「悔しいです。自分もぼーっとしていて寝ていたかもぼーっとしていたかも分かっていないです」

HPより

2014年に韓国で始まったこの大会は「情報過多の現代に生きる中で人生に余白を設ける」というコンセプトが話題となり、台湾やオランダなど世界6つの国や地域に拡大。

日本では去年、東京都で初めて開催され、今年は地方予選が開かれることになりました。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「みんな良い感じにぼーっとしてくれるから準備万端という感じです」

北九州市で初めての予選開催を呼び込んだのが、北九州市立大学に通う末廣和音さんです。

末廣さんは去年、学部の実習に加え、イベントの運営など慌ただしく過ごす中で、人に厳しく接してしまい、物事が上手く進まなくなる苦い経験をしました。

悩む中で、「忙しくしていることが格好良い」と感じていた価値観が変化したといいます。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「もう一回自分がかっこいいと思う人、憧れる人ってどんな人かなと思ったときに、余裕がある人だなと考えが変わって」

そんな中、大会の存在を知った末廣さんは、主催する東京の会社に直接メールを送信。

オンラインで北九州市で開催する意義を熱弁しました。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「小倉駅、一番人が出入りするところでもあるし、忙しそうな人とぼーっとしている人のコントラスト(対比)が生める一番良い場所だと思った」

大会の開催に向けて、最も重要なのが集客です。

若い世代やビジネスマンが利用する、コワーキングスペースやカフェなどに大会のチラシを置いてもらうよう交渉しました。

大会で使う備品の準備も手がけました。
作ったのはスタッフに頼み事がある時に使うカード。
青は飲み物、黄色はうちわ、それぞれ求めるものは違います。

北九州市立大学3年・末廣和音さん
「足つりそうだからマッサージお願いしますみたいな、叫んだらぼーっとしてないじゃないですか、さらっとこうやって上げたら、スタッフが寄ってきて対応してくれるという」