時間帯や場所だけでなく、所要時間でも変わる配達報酬

配送報酬は時間帯や場所によって異なりますが、1回あたり数百円というケースも少なくありません。
一方で今回、ド被告らのグループには、フードデリバリー業者から1回あたり3000円あまりが支払われていました。
複数のフードデリバリー業者に登録している配達員のAさんに話を聞きました。

配達員Aさん「18分383円と出てくるが、実際に配達して所要時間がオーバーすると報酬が伸びる。例えば30分かけたとしたら多分500円とか600円になるイメージ。実際に30分2000円くらいの依頼を受けて、大雨の影響で40~50分かかったことがあるが、そうすると配送報酬が1.5倍や2倍になることもあった」
ただ、こうした行為を繰り返し行えばフードデリバリー業者側が気づく可能性があるといいます。
配達員Aさん「わざと時間を使ってみたいなもので1回3000円にするのは全然できると思う。ただ何回もやっていると明らかに不自然になるのでアカウントが止まる可能性がある」
Aさんはこれまでも配達員の不正について聞いたことはあったそうですが、今回のように「注文者と飲食店、配達員」が手を組んだとみられる手口に注目しています。
配達員Aさん「注文者と飲食店、配達員で組んでいるんだったら僕が今まで聞いていた不正よりさらにやりやすいと思います。ほぼバレないですよね、注文者から会社に通報されることがないから」

警察は5人の認否を明らかにしていませんが、高木被告らの他にも複数人がアカウントを貸すなどして、1000万円以上をだまし取った疑いがあるとみて捜査を進めています。全国初となったフードデリバリー業者の配送報酬をめぐる詐欺事件の検挙。
5人の初公判は9月に、福岡地裁で開かれる予定です。