若い世代が増えているデモ

デモを見てちょっとでも気になったら飛び入り参加してみるのがよいと思います。中国で天安門事件(1989年6月4日)が起きて35年。東京でその抗議デモに参加した私は当時22歳、デモに参加したのはこれが最初で、記憶の中に強く残っています。天神で開催されたデモには、若い世代が目立ちました。
菅さん:高校生もいましたし、10代20代の人たちがすごく多く参加していたのがとても印象的でした。自分たちと同い年ぐらいの人、もっとちっちゃい子供たちが理由なく殺されていくのを見ているだけなんて、どうしたらいいの?ということで来ている人が多いですね。
菅さん:デジタル・ネイティブの世代の人たちは、他の国の状況もネットで見られ、例えばアメリカの大学生たちが連帯して大学でテント張って抗議運動しているというのもみんな知っていて、「こういうやり方があるんだ」と知って声を上げることをやってる人はけっこういます。地域紛争の側面よりも、人道とか、人としての尊厳が踏みにじられているところにフォーカスして行動してる人の方が多いし、インスタを見てもそういう発言してる人の方が多く感じますね。
菅さん:20代の人たちは、生まれたときから「失われた何十年」と言われ、その時代しか知らない世代だから、自分たちの生きてきたこの閉塞感とか、「なんでこうなんだろう」と思った時に、この国際社会とのつながりとか、パレスチナで起きている残虐なこととかが、やっぱり他人事じゃないと思えるんだろうな、と感じたりします。
若い世代で多数派になっているとまで私は思っていませんが、そういう人たちが明らかに生まれていて、インスタを交換し合っている高校生はデモの中に実際いました。こういう広がりが、とても大事です。「デモやって何か意味あるの?」と冷笑する人たちがいますが、冷笑しているくらいなら「50メートル、一緒に歩きませんか?」と思います。
今週末の6月8日、昼12時に福岡市の天神パルコ前に集合し、イスラエルに関係しているとみられる企業に対する抗議行動を行うそうです。知る機会につながるし、見に行くだけでもいいし、手を振るのもいいし、一緒に歩いてみるもいいし。何かしてみたら、と思います。
「STOP!ラファ攻撃始めよう、イスラエルボイコット運動」
主催:福岡パレスチナの会
連絡先:070-8795-6648(沖園リエ)
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)
1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。ニュースやドキュメンタリーの制作にあたってきた。報道部長、テレビ制作部長、ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサーなどを経て2023年から報道局解説委員長。最新ドキュメンタリーは映画『リリアンの揺りかご』(U-NEXTで6月18日まで有料配信中)。