去年5月、福岡県柳川市の美容専門学校で、生徒4人がバーベキューの火で死傷した事故について、第三者員会の調査報告書がまとまった。
ワンマン経営の理事長に誰も意見ができない体制が浮き彫りになっているが、事故直前、アルコールの投入を発案した理事長に、会場にいた生徒のひとりが危険性を指摘していた可能性が明らかになった。
事故後初めて会見を行った理事長は、「別の会議」を理由に途中退席し、説明責任が果たされたとはえいない状況だ。
このまま幕引きとなるのか。
消毒用アルコール1リットル投入し炎上
事故が起きたのは去年5月24日。福岡県柳川市にある「ハリウッドワールド美容専門学校」では正午過ぎから全校生徒約470人が参加したバーベキュー大会が開催されていた。
大会開始から約20分後、火の炭が入ったコンロの火力を上げるため、20代の男性職員が約1リットルの消毒用のアルコールを注ぎ、爆発的に炎上。
近くにいた生徒4人に燃え移り、当時18歳の男子生徒が死亡したほか、3人が全治1週間から3か月ほどのやけどを負った。
事故の原因などを調べるため、去年8月から6人の有識者で作る第三者委員会が立ち上がり、教職員や生徒など学校関係者への聞き取りや現地調査を実施。
事故から1年余りが過ぎた7月4日、報告書がまとまったが、事故をめぐる学校のずさんな対応や、歪んだ経営体質などが浮き彫りになった。