神戸、鳥取、熊本…増える内陸直下型地震 南海トラフ地震の前触れか

観測機器を取り付ける西村教授(2017年)

西村教授は、人工衛星からの電波を受信して地上の位置を正確に測る「GNSS」と呼ばれる仕組みを使って地盤の動きをミリ単位で解析し、地震を引き起こす「ひずみ」がどこにたまりやすいのか調べる研究をしています。

「GNSS」GPS(アメリカ)やGalileo(ヨーロッパ)などの衛星測位システムの総称で、スマホやカーナビなどに利用されています。国土地理院は全国に約1300か所(約20km間隔)の電子基準点を設置しているほか、携帯電話会社などの民間企業や研究機関も独自の基準点を設置しています。

西日本で発生が差し迫っているとされる南海トラフを震源とする大地震。ただ、西村教授は、大地震の脅威は南海トラフに限った話ではなく、現在、西日本は「南海トラフ地震が発生する前の『地震活動期』に入っている」と指摘。南海トラフ地震が発生する前後には、内陸で起こる地震が増える傾向にあるといいます。