明治安田生命J1リーグ第33節。サンフレッチェ広島は、エディオンスタジアム(広島・安佐南区)でのラストゲーム。満員のサポーターを前に有終の美を飾りました。

サンフレッチェのホームとして30年の歴史に終わりを告げるエディオンスタジアム広島での最終戦―。スタジアムには最後を見届けようと3万人近くのサポーターが詰めかけました。

関東から駆け付けたサポーター
「広島に帰ってきてエディスタに来ると、『ああ、帰ってきた』というようなことを感じさせてくれる場所でした」

そして、迎えた最後のキックオフ。サンフレッチェは、今季限りでの現役引退を表明している 林卓人 がベンチ入り。ベテラン・青山敏弘 が、キャプテンマークを巻いて、スタメンに名を連ねます。

その青山は、試合開始からチャンスを演出。前半9分には正確なクロスから 加藤睦次樹 がシュート。サンフレッチェが序盤からゴールに迫ります。
すると、その2分後、加藤が中央へドリブルしてクロス。頭で合わせたのは 満田誠 ! 満田は、これで今シーズン、4ゴール目。紫の若き11番の活躍で先制点を奪います。

勢いに乗ったサンフレッチェは、さらにその2分後、東俊希 からのクロスに 中野就斗 が合わせてゴール。大卒ルーキーのJ1初ゴールでガンバを突き放します。

後半になってもサンフレッチェの勢いは止まりません。後半8分、加藤の狙いすましたシュートはゴール右隅へ。試合を決定づけます。
すると後半38分、スキッベ監督は林卓人を投入。Jリーグ優勝に貢献したレジェンドの登場に湧きます。

サンフレッチェ広島 林卓人 選手
「いつも通り、このピッチの広さの感じが感じられたらいいなと入って、その通り入れたので、それはサポーターのみなさんのおかげだと思います」
林は、短い時間でも集中して最後までゴールを死守。チームスタッフも会場ボランティアも選手もサポーターも思いを込めたエディオンスタジアムでのラストゲーム90分―。快勝で花を添えたサンフレッチェは、5戦負けなしで3位に浮上しました。

試合後には林の引退セレモニーが行われ、20年間のプロ生活に別れを告げました。
林卓人 選手
「苦しいときにこそ、この紫のサポーターと団結できたことが、ぼくの誇りです。このチームの勝利のために一緒に戦ってくれるサンフレッチェサポーターのみなさん、来年から新スタジアムでのシーズン、スタジアムの中心となり、同じ志を持ち、サンフレッチェが生活の一部となっているみなさんと広島の街・クラブが世界に誇れるものになると確信しています。23年間、自分のサッカー人生に関わってくれたみなさん、本当にありがとうございました。また会いましょう」

その後、盛大なフィナーレ演出が行われ、エディオンスタジアムが、その紫の歴史に幕を下ろしました。

サンフレッチェ広島 青山敏弘 選手
「 このスタジアムでいろんな姿、感情だったり、熱い思い、熱気だったり、いろんなものを一緒に共有してきた。それが今のサンフレッチェをつくっているのは間違いない。そのぼくたち選手とファン・サポーターがつないでくれたこのスタジアムに本当に感謝しながら新しいスタジアムに向かっていきたい。長い間、このスタジアムとともに戦ってくださってありがとうございました」