4年前からMOFUを使ってアサリを養殖している濱本水産の漁場です。干潟に張ったネットは、エイなど大きな魚に食べられる食害を防ぐためです。

従業員が手掘りで収穫しているアサリは、貝の赤ちゃん(稚貝)をまいて、3年間育てたものです。その様子は、まるで畑の農作業です。

MOFUの効果について代表の濱本さんが開口一番、話したのは、貝のへい死が少なくなったことでした。

濱本水産 濱本恵津生代表
「あれが、死んだ貝の殻です。以前、MOFUをやる前は、ものすごく死んでいたんですよ。これでいくと、3分の1くらいしか死んでいないですよね、当時に比べて」
貝の身入りもよくなったということです。

濱本恵津生代表
「データとしては出ていないが、2か月くらい、身が早く入るようになった。それから、殻が安定して大きくなった」
専門家に尋ねたところ、へい死の原因はエサ不足による餓死。
アサリの採掘場所のすぐ近くにMOFUが埋めてありました。

柴田和広記者
「(MOFUを手にとって)別になんのにおいもないです」
濱本恵津生代表
「鶏ふんといったら嫌な感じがするけど、普通肥料。害はない、全然」

このMOFUは、ことし2月に埋めたもので、1.5ヘクタールの干潟におよそ720個あります。ここからプランクトンの増殖に必要な窒素やリンなどが少しずつ溶け出していました。
アサリの生産量は、毎年の稚貝の確保量にもよりますが、濱本水産の場合、以前は年間10トン前後だったのが、MOFUを使い始めてから10トンから20トンの間まで増えたということです。

MOFUの設置には年間100万円ほどかかるものの、「大野あさり」のブランド力もあって採算はとれるということでした。
濱本水産 濱本恵津生代表
「救世主が現れたような感じです。MOFUは漁場が本来ある姿に戻りつつある。本気でやらないといけない使命感がわいてきた」
