2010年ごろを境に北半球の気候が変わった 日本は猛暑が多発

立花義裕 教授(気象学):
「もう今年のようなことが起きるのが普通になりつつある。このような異常が起こることが2010年以降、当たり前になりつつあるので、今年のようなことがこれから普通になる。そういう意味では、異常気象が普通になる時代。『ニューノーマル化する異常気象』と僕は呼んでいる。」

2010年以降、日本では毎年のように猛暑となっていますが、これについて立花教授は、地球温暖化によって北半球全体の気候が変わったことで、日本付近では偏西風が北に大きく蛇行したり、高気圧が強まりやすくなったりして、「猛暑」が頻繁に起こるようになったためと考えています。

立花義裕 教授(気象学):
「偏西風が激しく蛇行する現象は2010年以降に急に増えているが、これには地球の温暖化、特に北極の温暖化が影響していると考えている。
 偏西風は北極と赤道の温度差が大きいと速くて、温度差が小さいと遅くなる。なので北極が温暖化して偏西風は遅くなっている。遅いと偏西風はフラフラしてまっすぐ流れずに蛇行しやすくなる。
 まさに近年の猛暑は地球の温暖化に伴う偏西風の激しい蛇行と断言してもいい。」

「夏が長くなって冬はちゃんと寒くなる。そういう意味では秋が縮む。季節は夏が長くて、秋と春が短くて、冬は普通にある、という感じなので、季節が4つから2つになったのかもしれない。
 今年はあまりにも異常だったのかもしれないが、もうこれが未来の普通になると思う。そういう意味では早く気候変動に適応する必要がある。農業も水産業も水温や気温の変化に適応した作物や漁業に変えていく必要がある。」