核兵器禁止条約の初めての締約国会議がオーストリア・ウィーンで21日から始まります。現地で取材にあたっている小林康秀キャスターの中継です。

(小林康秀キャスター)
はい、核兵器禁止条約の成立に貢献したとして、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長は、RCCの取材に応じ、いろんなことをフランクに話してくれたのですが、非常に強いまなざしで、日本政府、岸田総理に対し、核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加しないことについて、「これでは橋渡しにならない。核軍縮をのぞむなら、参加して、各国の声に耳を傾けてほしい」と、ぎりぎりまで参加を待つ姿勢を強調していました。


さて、いよいよ20日から政府関係者も参加する国際会議が行われます。こちらの会場で、核兵器などの非人道性を話し合う会議が始まりまして、ちょうどまさに、被爆者などのスピーチが行われています。そして21日からは、核兵器禁止条約の締約国会議が3日間にわたって行われます。

その前に、ICAN主催のフォーラムが19日まで2日間にわたって行われました。

「NGO組織が集まるICANのフォーラムが始まりました。きょうから2日間、40を超えるセッションが行われます」

フォーラムの冒頭では、長崎で被爆した日本被団協の木戸季市事務局長が被爆証言をしました。

(日本被団協木戸季市事務局長)
「飛行機の音を聞いたその瞬間。ピカドン。光を浴び、飛ばされて気を失いました」


木戸さんは、「核兵器禁止条約は被爆者の願いそのもの。締約国会議で議論が深まること期待する」と訴えました。


広島からは、県などでつくる「HOPe」が対話イベントを開催。


長崎やロンドンに留学中の大学生らが参加し、核兵器廃絶と環境問題などについて、「別々で捉えるのではなく、地球規模の問題として一緒に行動をするべきだ」と訴えました。


(広島で被爆家島昌志さん)
「私が3歳の時…」

フォーラムでは、被爆者とを交流する時間も設けられました。広島と長崎の被爆者3人を海外の若者らが囲み、被爆証言に耳を傾けました。初めて被爆体験を聞く人も多く、広島で被爆した家島さんは、「若い世代が核兵器廃絶に向けて取り組んでいることは希望の光だ」と伝えました。

18日から2日間に渡り、40を超えるセッションが行われたフォーラムについて木戸さんは…。

(日本被団協 木戸季市事務局長)
「熱気あふれる会合でした。どの会場にいっても、その思いがビンビン伝わるよう会でした。このフォーラムの成功を祝したい、みんなと一緒に祝したい」

(小林康秀キャスター)
世界から参加者がいて、核兵器の被害の実相に触れたことがない人も多かった。被爆者と直接会話することでより身近に理解することができたというイギリスの平和活動家や、イランNGO組織の人はこれからの活動に向けて確信が持てたと話していました。核軍縮を目指すためには膝詰めで話さなくてはいけない、あらためて感じました。