湯崎知事と広島市の松井市長は、サミットで「首脳が被爆の実相に触れたことには、意義があった」と話しました。
岸田文雄 総理
「G7として初めての核軍縮に焦点をあてた核軍縮に関するG7首脳『広島ビジョン』を発出することができた」
広島サミットの評価について、湯崎知事と松井市長は次のように話しました。

広島県 湯崎英彦 知事
「みなさんが資料館を見学されて、被爆者と対話をされて、被爆の実相に触れたということは非常に大きな意味があったと思う。今後の取り組みに大きなインパクトを時間をかけて与えていくのではないかと思う」

また、広島市の松井市長も「首脳たちが被爆の実相に触れたことには、意義があった」としました。

広島市 松井一実 市長
「各国首脳が(芳名録に)残したメッセージに、核兵器のない平和な世界を望むという、ある意味では国を背負った為政者の立場でなく、一個人として、あるべき姿、理想を記述していただいたという点が気持ちが通じたかなと思う」

一方、国際NGOは、G7が発表した「広島ビジョン」などに核兵器を廃絶することへの言及がなかったとして「たいへん残念だ」と語りました。

ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン) 川崎哲 国際運営委員
「核軍縮を議論するG7サミットということで、わたしたちICANとしても本当に力を注いできた。核軍縮を前進させるような内容はなく、そもそも核兵器を廃絶するという言葉もない。そういう成果しか出なかったということはたいへん残念」

一方、ノーベル平和賞の授賞式でスピーチした、カナダ在住の被爆者・サーロー節子 さんも、核兵器禁止条約に触れなかったことに落胆した様子でした。

ノーベル平和賞授賞式でスピーチ
カナダ在住の被爆者 サーロー節子 さん(91)
「核兵器禁止条約のことに一言も触れていなかった。驚いた。わたしは(首脳が)広島まで来て、これだけしか書けないのかと思うと、胸がつぶれるような思いがした。死者に対して大きな罪だったと思う」