広島県議会議員選挙は9日、投開票され、8人の女性議員が誕生しました。初めて選挙に挑戦した最年少の女性候補を取材しました。

広島市の繁華街・薬研堀にある選挙事務所。宇治木蕗 さん(27)は、県議選の立候補者で最年少でした。

広島県議選(広島市 中区)に立候補 宇治木蕗 さん
「議員への相談は経験上、(県政に)絶大な効果を持っている。若い議員がいない中、同世代のことがわかるのは同世代」

宇治木さんは、2022年11月まで広島県の職員として働いていました。大学を卒業後、約5年半、障害者支援などの業務に関わってきましたが、職員では実現できないことの多さに気がついたと話します。

宇治木蕗 さん
「県民の話を聞いても、公務員の立場では変えられないことが多くある。制度に介入する仕事はなかなかできない」

以前は「投票」することで、県政に関わりたいと考えていましたが、4年前の選挙が「無投票」で候補者を選ぶことができなかったことから、自ら出馬を決意しました。

宇治木さんは、現在、クリエイターとしても活動しています。選挙期間中、街頭演説などは一切せず、ユニークな方法で「投票率アップ」を呼びかけました。

宇治木さんが考案した選挙マンガ「50日後に投票日を迎える統一地方選挙」…。イラストレーターに作画を依頼し、構成やコメントなどは宇治木さんが「体験談」をもとに考えました。選挙への立候補を決意した主人公「パンダ君」が、仲間とともに選挙活動や投票などについて学ぶストーリーです。

支援者
「選挙は、ハードルが高くはない。すごく難しそう、たいへんそうなど、取っ払えたら」

宇治木蕗 さん
「『自分も立候補しよう』など何かのきっかけになれば」

SNSのオンラインで6日、支援者などと意見を交わし、選挙活動を終えました。

迎えた投開票日の9日。支援者と一緒に開票速報を見守ります。

広島市中区は、定数3に対し6人が立候補しました。宇治木さんは、政党などの支援がない中、3172票を獲得したものの落選しました。

宇治木蕗 さん
「4年後、一緒に選挙に出る人を増やす。若い人を中心に無投票にならないよう、いろいろな人と出馬したい」