ベトナム人元技能実習生が死産の赤ちゃんを遺棄したとして、罪に問われている裁判で、最高裁が逆転無罪判決を言い渡しました。
この裁判は2020年11月、当時技能実習生だったベトナム国籍のレー・ティ・
トゥイ・リン被告(24)が熊本県芦北町の自宅で、死産した双子の赤ちゃんの遺体を遺棄したとして罪に問われたものです。
リン被告は一貫して「赤ちゃんを捨てるつもりはなく安置した」と無罪を主張していましたが熊本地裁と福岡高裁ともに死体遺棄にあたると有罪判決を言い渡していました。
ベトナム人実習生が孤立出産した事例の裁判は広島でも…
孤立出産したベトナム人技能実習生をめぐる事件は、同じような時期に、広島でもおき、去年6月、1審の広島地裁での有罪判決が確定しています。
当時の記事から、「技能実習生の特有の事情」をあらためて考えます。
===2022年6月26日配信の記事から===
ベトナム人技能実習生スオン・ティ・ヴォット(以下、スオン)が、産んだばかりの子を死なせて遺棄した事件…。発覚から1年半以上たって出た、「懲役3年執行猶予4年」という判決は、2022年6月、確定しました。

ベトナム語の通訳を介して実質6日間開かれた裁判では、スオンが「した」こと、そして「しなかった」ことが明らかになりました。
「保護すべき責任があった」のは有罪となった母親だけだったのか…、子どもの父親は表舞台に立たされることなく、裁かれることはありませんでした。
拘置所でスオンと私が重ねた20回の面会。「こんな事件にならないために、日本は、あなたに何をすれば良かったのかな?」という問いに、「やって欲しかったことはいっぱいある」と投げつけた言葉の意味とは…。