コロナも油断できない状況が続いています。

湯崎知事は、県内の第8波の感染者数について「第7波のピークを超えない見通し」という見方を示しましたが、自分で検査をして陽性になっても自治体に登録しない人などがいて、実際の感染者数は発表される数字より多いのではないかという専門家の指摘もあります。

また、死者数が増加していることも気がかりです。新型コロナによる1月の広島県内の死者数は19日の段階ですでに過去最多となり、1日に10人以上の死亡が発表されるのも珍しくない状況です。

コロナの入院患者を受け入れている病院では、病床のひっ迫が続いています。

舟入市民病院 高蓋寿朗 院長
「ぼくのところに届いている(去年)11月の亡くなった方の細かい情報を見させてもらうと、ほぼ全員が60歳以上の人で、特に90歳以上の人が半数を占めるような状態なので、かなり高齢の人が亡くなられている」

「全体の状況を見ると、どの病院も高齢者がどんどん入ってくるので。すぐに入院・退院されないので、やっぱり厳しい状況が続いてると聞いている」

県によりますと、第8波に入った11月以降、死者のおよそ90パーセントが70歳以上だということです。厳しい状況が続く中での同時流行となりました。

高蓋寿朗 院長
「ここが検査室で、ここでコロナとインフルエンザ、迅速検査中心で、抗原検査をやるようにしていて…」

こちらは、院内にある検査室です。年明けからコロナとインフルエンザを同時に判定できるような方法で検査を始めましたが、インフルエンザの陽性患者がコロナの陽性患者を上回った日もあったといいます。

高蓋寿朗 院長
「小児を中心にかなり増えてきている状況で、小児については先日の日曜日(15日)にコロナの陽性患者よりもインフルエンザの陽性患者の方が少し多いような状況も発生しているので、小児についてはむしろ今、インフルエンザの方が心配な状況になっているかと思う」

高蓋院長は、インフルエンザの小さな子どもへの流行が、親世代、さらに高齢者へと広がっていくことを懸念しています。

舟入市民病院 高蓋寿朗 院長
「今から1ヶ月ぐらいはインフルエンザ、かなり全体的に増える時期が来るんじゃないかと思っていて。高齢者の方にインフルエンザがはやると、コロナと同様にかなり重症になる人がいる」

「そういう人がまた増えてくると、もちろん病院の中で職員や患者に今度はインフルエンザのクラスターが発生するとか、施設の中でもインフルエンザのクラスターが発生し始めると、コロナは落ち着いたけど、今度はインフルエンザのクラスターということで、それはそれでたいへんになる可能性はあると思う」
