「むっちゃん、制服と一緒に…」

「ねえ、大事にしてくださって、ありがとうございます」

この日、植田さんは広島市中区の原爆資料館に足を運んでいました。

「むっちゃん(睦子さん)、こんなに小さいのよね。こんなに小さいのよね」

震える声で見つめていたのは、あの日、睦子さんが身につけていた制服です。原爆投下のおよそ2週間後、父と妹ががれきの下から見つけ出しました。

父の着物の生地を使って縫われた制服は、焼けることなく、名札や記章もはっきりみることができます。

「父が『あった、あった、睦子がおった、おった。睦子がおるぞ』って言って持って帰りましたもんね。むっちゃん、制服と一緒に帰ってきたんだよね」