県は、県内全域にインフルエンザ警報を出しました。昨シーズンよりも1か月程度早い警報で、感染が急拡大しています。
広島市南区の小児科。こちらでは、週ごとにインフルエンザ患者の数が倍増しているといいます。26日もインフルエンザの検査をした42人のうち、32人が陽性で全員が「A型」でした。
医師
「のども赤いですね。インフルエンザの検査をしましょうか」
県は27日、県内全域にインフルエンザ警報を出しました。今月17日から1週間のインフルエンザの患者数が広島市保健所管内で1医療機関あたり40.03人となるなど、警報の基準となる30人を超えたということです。昨シーズンよりも1か月程度早く出されました。
学校での感染拡大も続いていて、広島市内の学級閉鎖などは今シーズンの累計で110件に上っています。
保護者
「(子どものうち)弟がインフルエンザだったので、兄も熱が出たのでインフルエンザかなと思って。ここ数年、感染が一気に広がるようなイメージがある」
もり小児科 森美喜夫院長
「もう非常に多い、患者さん。昨シーズンも年内に流行が始まったが、今年はさらに早い感じがする」

今シーズン、流行の中心になっているとみられるインフルエンザの「A型」。このA型の新たな変異ウイルスが国内で確認され、感染拡大に関係している可能性が指摘されています。「サブクレードK」と呼ばれる変異ウイルスで、国立健康危機管理研究機構による患者の解析では、13検体のうち大半の12検体がこの変異ウイルスだったといいます。
ただ県内では、流行しているA型がサブクレードKかどうかは、まだ分かっていません。
もり小児科 森美喜夫院長
「症状は例年通り、急な高い熱が出る子がほとんどだが、なかに普通の風邪と同じように熱が高くないお子さんで、周り流行しているので、検査してみましょうかと言って、検査して陽性が出る人が少しいる」
一方、例年通り、子どもの患者の場合は抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無に関係なく、異常行動をおこす恐れがあるので注意が必要だといいます。
もり小児科 森美喜夫院長
「やはり子どもの場合は、異常行動がインフルエンザにかかるとあるので、発病後2日間くらいは目を離さないでほしい。窓から飛び降りるということも前にあったので、そういったことに関しては親御さんに注意を払っていただきたいと思う」
今シーズンの流行について、ウイルス学が専門の広島大学大学院・坂口剛正教授は「新型コロナでインフルエンザが流行しない時期があったので、免疫を持たない人がまだいること」

「そうした状況で、サブクレードKと呼ばれる変異したインフルエンザウイルスが入ってきて、感染拡大につながっている可能性がある」と話しています。


































