ワシントン条約の締約国会議で、日本の伝統的食材・ウナギの国際取引を規制対象にするかどうかが議論されています。広島の消費者や専門店からは不安の声が上がっています。
小林康秀キャスター
「こちらのお店でよく出ている、蒲焼重です。ふっくらしていてタレの味が染み渡って、おいしいです」
きょう訪れた広島市安佐南区のお店は、一次加工したニホンウナギを輸入しています。作業工程をマニュアル化するなどして、手に取りやすい価格に設定しています。
鰻之姫川広島祇園店 岩田飛翔代表
「外はかりっと中はふっくら関東風に焼き上げてニホンウナギをおいしく召し上がっていただけるように提供しております」
こちらのお店では、ウナギを1年間に必要な分をまとめて取引しているので、価格に大きな変動はないとしていますが、やはりこちらの議論は気になるそうです。
ウズベキスタンで開催されている絶滅のおそれがある野生生物の国際的な取引を規制する「ワシントン条約」の締約国会議。「ウナギ」はすでに国際取引の規制対象となっている「ヨーロッパウナギ」だけでなく、EUなどは他のすべてのウナギを規制対象に加えるよう提案していました。日本政府は「ニホンウナギ」は絶滅の恐れがないとして反対の立場をとっていました。2024年における日本でのうなぎの供給量のうち、7割以上は輸入うなぎです。
広島市安佐南区での声
「うなぎもなかなかいないじゃないですか、天然というか。そういうところが心配じゃないですかね」
「土用の丑の日には多少高かろうと何だろうと食べますし、今までのような感じで自由に遠慮無く手に入るようになってほしい」
輸入した「ニホンウナギ」を扱う先ほどのお店では…。
鰻之姫川広島祇園店 岩田飛翔代表
「値段に関しては正直不透明なところもある。管理化されることによってコストが上乗せされるとかそういったこともあると思う」
ただ現時点では取引業者からはそこまで心配する必要は無いと聞いているとして冷静に受け止めています。一方でうなぎを扱う業界としては…
鰻之姫川広島祇園店 岩田飛翔代表
「規制管理化されることによってウナギの取り合いになってしまうのでは無いかという懸念はある」
ワシントン条約の締約国会議で先ほど、ニホンウナギなどの取引に規制を加える提案の採決が行われ、賛成が3分の2に届かず提案は「否決」されました。来月開かれる全体会合で確定することになります。


































