2008年のスタートからおなじみとなった「ふるさと納税」。「返礼品」の充実など、利用している人も多いのではないでしょうか。このふるさと納税が、10月から変わります。寄付額に応じて付与されていたポイント制度が禁止となり、「お得感がなくなる」と声も上がります。実際のところどうなのでしょうか。金融教育のプロに聞いてみました。

「働いている方は家計へのメリットが高いので必須です」。こう話すのは、学校や企業で金融教育の講師を務める「Mu-lu」代表の池田康之さんです。10月の法改正や年末を前に「ふるさと納税」を巡る関心が高まっているいまだからこそ、制度を正確に把握する必要があるといいます。

「Mu-lu」代表 池田康之さん

ふるさと納税は、本来であれば自分の住む自治体に納めるはずの住民税を、寄付という形で希望する自治体に振り向けることができる制度です。

寄付を行うと翌年の住民税から控除される仕組みになっており、都市部に偏りがちな税収を地方へと循環させることを目的に、2008年にスタートしました。

もう一つの特徴は、寄付をする人が「寄付金の使い道」を選べる点です。例えば「子育て支援」「高齢者支援」「教育環境の充実」「環境保全」など、具体的な分野を指定できるため、自分の思いや関心を地域づくりに反映させられます。

そのため、寄付者にとっては返礼品だけでなく、地域貢献という満足感も得られる仕組みになっています。こうした背景から、ふるさと納税は単なる「お得な制度」ではなく、地域を応援しながら自分の税金の使い道を考えるきっかけともなっています。