パリオリンピックにも出場したトップアスリートの彼女ですが、去年10月、菊池病を発症し、突如、首の激しい痛みと高熱に見舞われました。
菊池病とはリンパ節に炎症が起こる原因不明の病気で命に関わる病気ではありませんがアスリートにとっては選手生命に関わります。福部選手の場合はバイクを全力で漕ぐようなフルパワーで持久的なトレーニングをこなせる量が減るなど、いまも病気との戦いが続いています。
発症からおよそ半年。
いつもの明るい福部選手に会えるのか不安が残るなか、先月27日、菊池病からの復活を目指す福部選手を訪ねました。



明るい様子でストレッチに取り組む福部選手。現在の状態を聞いてみると…
福部真子 選手
「元気にやってます!なんか人間味がでました。本当に喜怒哀楽。本当に喜怒哀楽です。『やったー!』ってなってるときもあるし、『くっそー!』ってなってるときもあるし、『えーん』ってなってるときもあるし、『たのしい~』みたいな感じになってるときもあるし、人間味が増しました」
10月に菊池病を発症した時は首のリンパの激痛と39度を超える高熱に悩まされました。
めまいなどの症状がなくなったのは12月末。現在も体調の変化に配慮しながら過ごしています。
福部真子 選手
「熱が出て、2・3日寝込むってなると、1週間のサイクルというか練習メニューを1回ガラっと変えなきゃいけなくて、一気に練習量をガンって落として予定よりもまたこう後ろ倒し後ろ倒しになってくから全然ここから進めてない感じ。『しょうがない』で今は全部自分の中で整理してるというか。「しょうがないよね、しかたないよね」っ言いながらやってるけど、でもふとしたときに『しょうがないにしても…』みたいな。ちょっとひどすぎでしょって感じで落ち込んだりはします」

日本記録を更新した昨シーズンは自身初となるオリンピックの大舞台を経験。日本人歴代のオリンピック最高記録となる12秒85をマークし、予選を突破します。
準決勝では世界最高峰のハードラー達を相手にスタートで先頭に飛び出すと…今度は準決勝の日本人歴代最高順位となる「5位」でゴールします。日本女子ハードル界の歴史を塗り替える輝かしい成績を残して終えた夢の舞台。
しかし彼女の心にあったのは、喜びや達成感ではなく、ずっと目指していた「オリンピックの決勝に届かなかった」という厳しい現実でした。
福部真子 選手
「自分が目指してるものと自分の立ち位置っていうものがすごく鮮明に見え始めて、なんかこう、女子の世界のトップ8について行きたい、ついて行きたい、でも全っ然ついて行けない。現実的にファイナルって本当に一生かけても無理なんじゃないんかっていう世界の壁にぶち当たって「ん~っ」ってなってました」