「被爆再現人形」の歴史は長く、原爆資料館に最初に展示されたのは、50年以上前の1973年。等身大の蝋人形で、ガラスケースに入っていました。

1991年にはプラスチック製にかわりました。ガラスケースはなくなり、被爆直後の燃えさかる街を歩く3体の人形は、来館者に強い印象を残しました。

来館者(2013年当時)
「怖い」「やっぱり一番怖い…」

しかし、遺品などの「実物」を重視するよう展示を見直すことになると、人形を外す方針が示されました。

原爆資料館 志賀賢治 館長(2013年当時)
「『実物』が伝える迫力は相当なものがあると、私どもは確信しています」

ただ、「来館者がイメージしやすい」「恐ろしさが伝わる」などと、人形を残すべきだという意見もあがりました。

街の人(2013年当時)
「これを見て戦争の悲惨さを感じていた」
「自分たちはこれを見て育った。今後の人にもこれを見て育ってほしい」

賛否の意見が分かれる中、人形は展示から消えました。