今回の山林火災の背景にはこうした気象条件があるんですが、さらに瀬戸内海の沿岸の山林で特徴的な「真砂土」の土壌も関係していると、専門家は指摘しています。
森林総合研究所 玉井幸治 研究ディレクター
「(瀬戸内海沿岸では)風化花こう岩に由来する真砂土で、土壌が形成されている場所が多い」

森林総合研究所の玉井幸治研究ディレクターによりますと、瀬戸内海の沿岸に多い真砂土の土壌では、水や栄養をためにくいため森林が大きく育ちにくいといいます。
森林総合研究所 玉井幸治 研究ディレクター
「十分に大きく成長しない森林だと、樹木についている葉の量が少ないので、太陽エネルギーが葉で遮断されずに、多くの太陽エネルギーが地面に届いて、地面の落ち葉が乾燥しやすい傾向があるため、林野火災の発生リスクが高い」

岡山・愛媛を含めた瀬戸内海沿岸は、風化花こう岩由来の「真砂土」の土壌で構成されています。このため、木々が大きく育ちません。そして、葉が十分に繁らないと、太陽のエネルギーが地面に届いて、枯れ葉が乾燥しやすく、火災が発生しやすくなります。
落ち葉が乾燥して燃えやすい状態になる年間の日数は、全国平均が10数日、風化花こう岩=つまり真砂土の地帯では約100日と大きく異なっています。


































